ユーロ/円相場は、120円の節目水準で推移する展開になっている。欧州債市場が引き続き安定化していることや、日本政府・日本銀行による大胆な金融緩和への期待感も継続していることで、1月18日には一時120.71円までユーロ高・円安が進行した。ただ、対ドルでのユーロ高に調整が入っていることもあり、ユーロ/円相場は特に目立った動きを見せなかった。120円の節目を挟んで膠着気味の展開になっている。
1月21日にはユーロ圏財務相会合が開催されたが、スペインやポルトガルの国債入札が堅調だったことで重債務国の国債利回りが着実に低下していることもあり、債務問題については特に突っ込んだ協議などは行われていない。最近はユンケル議長が「ユーロ相場は危険なほど高い」とユーロ高に懸念を示すなど、ユーロ圏当局者からユーロ高に対するけん制発言が相次いでいる。その流れで今会合でも為替相場の水準に言及するような動きが見られると、一時的にユーロ売りが膨らむ可能性も想定していたが、特に踏み込んだ発言なども聞かれなかった。1月25日の独1月Ifo企業景況感指数までは、ユーロサイドの決め手は乏しい。高値圏で売買が交錯する不安定な値動きが続く可能性が高い。
一方、円サイドでは本日の日銀金融政策決定会合後も、円安基調が維持できるのかが最大の焦点になる。どのような緩和メニューが合意されるのかは不透明感も強いが、脱デフレ・脱円高へ政府との共同歩調を演出する流れが維持されれば、円売り圧力が巻き戻される余地は限定されよう。
今後1週間の予想レンジは、118.50~121.50円。